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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(れ)1254号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人松尾菊太郎の上告趣意第一点について。

所論は、結局単なる訴訟法違反の主張と解されるから、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお原判決は、差戻前の第二審判決と異り証拠を追加しこれと判示事実を相待って本件犯罪の目的物が賍物であることを知り得る程度に判示しているから、所論当裁判所第三小法廷の判決の判断に反しているとは認め難い。)

同第二点、第三点について。

論旨第二点は、原判決の事実誤認を前提とする法令違反の主張であり、論旨三点は、原判決には理由不備乃至採証法則違反があるとの単なる訴訟法違反の主張であるから、いずれも刑訴四〇五条に該当しない。また、記録を精査しても、本件では同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎)

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